椎骨動脈はなぜ第6頸椎の横突孔から入るの??

こんにちは!!

最近、学生とみていると、教科書で調べるのではなく”Wordpress”や”note”といったブログから情報を得ることが多くなってきたなぁと感じています。不利益にならないような情報を提供していければなと感じています。

この記事は3分程度で読めると思います!!

今回は【椎骨動脈はなぜ第6頸椎の横突孔から入るのか??】ついて書いてみたいと思います。まずは簡単な解剖学からお話したいと思います。

目次

①頸椎について

頸椎は7個の骨から構成させ、前方凸の弯曲(前弯)を呈している。他の椎骨との違いとして、横突起の隣にある横突孔は頸椎にのみ存在している。この横突孔には椎骨動脈が通過しています。細かい解剖については割愛します。

②椎骨動脈について

椎骨動脈は、左右の鎖骨下動脈から分岐して、第6頸椎と第7頸椎間から入り、第6頸椎横突孔から上行して大後頭孔より頭蓋内に入る。2本の椎骨動脈は合流し、1本の脳底動脈となる。脳底動脈は小脳、脳幹、大脳皮質後方の栄養を担う非常に重要な動脈となる。

ヒューマン・アナトミー・アトラス2019エディション:3Dによる完璧な人体 2021_06_25 8_13_47 (2)

引用)ヒューマンアナトミーアトラス Thank you visible body

③第6頸椎横突孔から入る理由

なぜこんな疑問が生じたかというと、皆さんは第7頸椎をみたことがありますか??実際の第7頸椎が⇩になります。

画像2

横突孔がある…。なんで??と思いませんか?

すごく不思議に思いました。ヒトの身体はムダに穴が開いていたりすることはないイメージ。何か意味があるのかな?進化 or 退化の過程?と感じて少し調べてみました。

まずは、第7頸椎と第6頸椎の違いを見てみました。

画像3

図)左:第7頸椎、右:第6頸椎

横突孔の大きさが一目瞭然ですね!!!1.5~2倍くらいの大きさの違いがありました。やはり椎骨動脈が通過する第6頸椎横突孔は大きいですね。これはヒトになり第7頸椎横突孔には椎骨動脈が通過しなくなったのかな…?四足歩行動物では椎骨動脈はどうなっているのか?簡単に調べてみたところ、第7頸椎横突孔を有している四足歩行動物というのはなく、第7頸椎横突孔を有するのは二足歩行動物だけとのこと。これらから退化の過程で生じたものではないと考えられる。

四足歩行動物は脊柱長軸の前方に頭部が位置しており、仮に第7頸椎横突孔から椎骨動脈が入っていくと頭部を屈曲した際に狭窄を起こしてしまうから第6頸椎から入っているのではないかと考えられます。もしかしたら進化の過程で第7頸椎横突孔が生じているのかもしれないですね。

頸椎の構造の観点からは以上のことがわかりましたが、まだもやもやしていたので、椎骨動脈について少し深く調べてみたところ、椎骨動脈が横突孔に入るバリエーションが様々存在することがわかりました。これは解剖学でいう破格(anomary)または変異(Variation)になります。

椎骨動脈の入る横突孔のレベルはC6が最も多く93%であり、C3,C4,C5,C7ではそれぞれ0.2%,1.0%,5.0%,0.8%とのことでした。

C3➜0.2%
C4➜1.0%
C5➜5.0%
C6➜93.0%
C7➜0.8%

第6頸椎横突孔以外に通過するパターンが7%も存在すること、そして第7頸椎横突孔に椎骨動脈が通過するパターンが存在することにびっくりしました!ただ、解剖学の文献で書かれいてる通り、二足歩行であるヒトにおいてもほとんどが第6頸椎横突孔から椎骨動脈が入っていることがわかりました。

ここまでをまとめてみると、四足歩行動物には第7頸椎横突孔がそもそも存在せず、そして二足歩行動物には存在する。ヒトの椎骨動脈にはわずかではあるが破格・変異が存在し、第6頸椎横突孔以外からも椎骨動脈が入っていることが分かった。

ヒト身体は本当に不思議ですね。第7頸椎横突孔の存在する意味としては退化の過程ではなく、もしかしたら進化の過程で出来上がったものかもしれないですね。そしてタイトルの【椎骨動脈はなぜ第6頸椎の横突孔から入るのか??】関して、ヒトにおいて頚部の構造上、第7頸椎横突孔から椎骨動脈が入るのはストレスがかかりそうです(特に屈曲動作時)。なので、ストレスのかからない第6頸椎横突孔から入るのだと考えられます。ただ、長い年月をかけて第7頸椎横突孔を介して椎骨動脈が入っていく未来もあるかもしれないですね。

最後に少しセラピストの観点から感じたこととして、頚部を屈曲した状態から回旋動作などが加わった際には椎骨動脈にかなりストレスが生じそうですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

現時点わかる範囲をまとめてあり、情報のアップデート次第、追加していきます。良い情報があれば教授いただければと思います。

引用文献

1.Bruneau M, Cornelius JF, Marneffe V, Triffaux M, Gerorge B: Anatomical variations of the V2 segment of the vertebral artery. Neurosurgery 59:2006

2.  松原俊二:椎骨脳底動脈の発生、解剖、バリエーション.Nicke Neuro-Angiology Conference 2018

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