必修問題対策!(コーレス(Colles)骨折の診察・整復)

こんにちは!今回はコーレス(Colles)骨折の診察・整復の問題です!コーレス骨折は必修問題、一般問題ともに多く出題されます。転位方向、症状といった特徴をしっかり覚えましょう!

問題

解答&解説

問1.コーレス(Colles)骨折の典型的な変形はどれか。(第28回)

  1. 近位骨片の背側突出
  2. 遠位骨片の尺側偏位
  3. 橈骨茎状突起の突出
  4. 手関節横径の増大
解答&解説

正解は4番の”手関節横径の増大”です。コーレス骨折の典型的な転位は、背側転位、橈側転位、短縮転位、捻転転位(回外)の4つです。橈側転位がみられるため、手関節の横径が増大してみえます。(理論編P218)

1.背側突出するのは遠位骨片です

2.遠位骨片は橈側に偏位してみえる(橈側転位のため)

3.橈骨と手根骨間には問題が無いため、橈骨茎状突起が突出してみえることはない。

問2.コーレス(Colles)骨折に続発するのはどれか。(第28回)

  • 尺骨茎状突起骨折
  • 舟状骨骨折
  • 月状骨骨折
  • 長母指伸筋腱断裂
解答&解説

正解は4番の”長母指伸筋腱断裂”です。手関節の伸筋腱鞘の第3区画を通過する長母指伸筋腱はコーレス骨折の後療法の際に腱断裂を生じることがあります。尺骨茎状突起・舟状骨骨折・月状骨脱臼はコーレス骨折の併発症として発生することがあります。(理論編P221)

問3.コーレス(Colles)骨折の整復手順で正しいのはどれか。(第29回)

  1. 整復前に神経血管損傷の有無を確認する。
  2. 患者は坐位にて肘関節伸展位とする。
  3. 助手に患肢の上腕骨骨幹部を把持させる。
  4. 整復後、助手に変形の有無を確認させる。
解答&解説

正解は1番の”整復前に神経血管損傷の有無を確認する”です。整復前に神経血管損傷の有無を確認することはコーレス骨折のに限らずすべての骨折・脱臼で必要になります。

2.屈曲整復法・牽引直圧整復法にどちらも患者は坐位または背臥位で肘関節90度屈曲位とする。

3.助手は骨折部の近位部(前腕中央部付近)を把持する。

4.変形の確認をするのは術者の役割である。

問4.不安定型コーレス(Colles)骨折の定義で誤っているのはどれか。(第30回)

  1. 高度な粉砕
  2. 関節内骨折
  3. 整復後の再転位
  4. 背側傾斜角10度
解答&解説

正解は4番の”背側傾斜角10度”です。

~不安定型コーレス骨折の定義~(実技編P154)

  • 高度な粉砕骨折
  • 関節内骨折
  • 高度な転位(背側傾斜角20°以上、橈骨短縮10㎜以上)
  • 整復後、ギプス固定内で再転位を起こしたもの

問5.高齢者の橈骨遠位端部骨折で誤っているのはどれか。(第31回)

  1. 解剖学的整復が必須である。
  2. 長期固定は関節機能を障害する。
  3. 早期から手指の自動運動を行う。
  4. 発生原因として骨粗鬆症が背景にある。
解答&解説

正解は1番の”解剖学的整復が必須である”です。橈骨遠位端部(コーレス)骨折に限らず、高齢者の骨折では解剖学的治癒を求めて強固な固定を行うことで関節拘縮を残す可能性が高まります。そのため、早期から関節運動の開始ある程度の変形の残存の容認といった機能面に配慮した治療が大切である。(理論編41)

問6.コーレス(Colles)骨折屈曲整復法で、弛緩を目的とするのはどれか。(第32回)

  1. 方形回内筋
  2. 長母指伸筋
  3. 腕橈骨筋
  4. 円回内筋
解答&解説

正解は3番の”腕橈骨筋”です。屈曲整復法は転位高度の骨折に適応する。短縮転位が高度にみられる際に遠位骨片を過伸展させ、遠位骨片端を前腕長軸方向に圧迫して近位骨片に近づけます。(目的:腕橈骨筋を弛緩させる)実技編P156

問7.コーレス(Colles)骨折の牽引直圧整復法で誤っているのはどれか。(第33回)

  1. 転位軽度な骨折に対して行う。
  2. 遠位骨片背側から圧をかける。
  3. 遠位骨片を過伸展させる。
  4. 遠位骨片を回内させる。
解答&解説

正解は3番の”遠位骨片を過伸展させる”です。遠位骨片を過伸展させるのは屈曲整復法で転位高度な際に用いられる。

牽引直圧整復法は転位軽度なコーレス骨折で用いられる。遠位骨片背側に両母指を当て牽引を加え、捻転転位(回内)、橈側転位、短縮転位を除去する。(実技編P155)

問8.コーレス(Colles)骨折の症状で正しいのはどれか。(オリジナル問題)

  1. 前腕外側部の知覚が障害されやすい。
  2. 橈側転位によりフォーク状変形がみられる。
  3. 腫脹は骨折部より遠位に出現する。
  4. 正中神経麻痺では母指の伸展運動が障害される。
解答&解説

正解は3番の”腫脹は骨折部より遠位に出現する”です。コーレス骨折の出血による高度な腫脹は前腕遠位部、手関節、手部にかけて出現する(理論編P218)

1.前腕外側部の知覚は筋皮神経が支配する。コーレス骨折で損傷しやすい神経は橈骨神経、正中神経、尺骨神経である。

2.フォーク状変形は背側転位が高度になるとみられる。

4.正中神経障害では母指の対立運動や示指・中指の指腹の感覚などが障害される。母指の伸展運動は橈骨神経麻痺である。

問9.コーレス(Colles)骨折においてみられる変形はどれか。(オリジナル問題)

  1. 捻転転位によるフォーク状変形
  2. 短縮転位による銃剣状変形
  3. 掌側転位による銃剣状変形
  4. 背側転位によるフォーク状変形
解答&解説

正解は4番の”背側転位によるフォーク状変形”です。

~コーレス骨折でみられる変形~

  • フォーク状変形:高度な背側転位によりみられる
  • 銃剣状変形:高度な橈側転位によりみられる

問10.コーレス(Colles)骨折の屈曲整復法において最後に除去する転位はどれか。(オリジナル問題)

  1. 背側転位
  2. 捻転転位
  3. 短縮転位
  4. 側方転位
解答&解説

正解は1番の”背側転位”です。屈曲整復法の転位除去の順番は捻転転位(回外)・側方転位➡短縮転位➡背側転位です。(理論編220、実技編)

以上になります!ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次