問題
解答&解説
問1.前十字靭帯損傷で受傷直後にみられないのはどれか。(第28回)
- 運動痛
- 後方落込徴候
- 不安定感
- スポーツ活動の続行困難
解答&解説
正解は2番の”後方落込徴候”です。前十字靭帯損傷の症状は膝関節の疼痛、不安定感、腫脹があります。受傷時には断裂音(POP音)を自覚することもあります。これらの症状からスポーツ活動の続行は困難になります。
後方落込徴候は後十字靭帯損傷の症状です。理論編P388
問2.ラックマンテストで被験者の姿勢はどれか。(第28回)
- 背臥位
- 側臥位
- 腹臥位
- 座位
解答&解説
正解は1番の”背臥位”です。ラックマンテストは前十字靭帯損傷の徒手検査になります。
実施法:患者は背臥位、患肢膝関節を軽度屈曲位(10~30°)位で検者は一方の手で大腿骨遠位端部を外側から握り、他方の手で下腿近位端部を内側から握る。大腿遠位端部は固定したまま下腿近位端部を把握している一方の手を瞬時に下腿前方へ引き、愛護的に引き出し操作を行う。前方に引き出しが証明されるものを陽性とする。理論編P472
問3.前十字靭帯損傷で膝くずれの原因はどれか。(第29回)
- 大腿筋膜張筋の筋力低下
- 関節支持性の低下
- 関節遊離体の存在
- 持続する疼痛
解答&解説
正解は”関節支持性の低下”です。前十字靭帯は関節包内靱帯(滑膜外)です。靱帯が損傷することで、関節の不安定性が生じ膝くずれの原因になります。理論編P388
問4.急性期の前十字靭帯損傷の徒手検査で大腿骨に対する脛骨の偏位方向はどれか。(第30回)
- 前方
- 後方
- 側方
- 回旋
解答&解説
正解は1番の”前方”です。前十字靭帯は大腿骨の外側顆後方と脛骨の前顆間区を結び、脛骨が大腿骨に対し前方に移動するのを防ぎます。徒手検査では大腿骨に対し脛骨を前方に牽引することで、靱帯の機能を確認します。理論編P472
問5.前十字靭帯損傷の検査法でないはどれか。
- ピボットシフトテスト
- ジャークテスト
- アプライテスト
- Nテスト
解答&解説
正解は3番の”アプライテスト”です。アプライテストは牽引アプライテストと圧迫アプライテストがあり、牽引アプライテストは側副靱帯損傷、圧迫アプライテストは半月板損傷の徒手検査になります。
問6.回旋不安定性を評価するのはどれか。(第31回)
- ワトソン・ジョーンズテスト
- ラックマンテスト
- サギング
- Nテスト
解答&解説
正解は4番の”Nテスト”です。Nテストは脛骨の前外側回旋不安定性の誘発テストです。理論編P370
ワトソン・ジョーンズテスト:半月板損傷の徒手検査。一方の手の手掌を膝蓋骨上に当て下方に押し、他方の手で足関節部を引き上げ、膝関節の最終伸展・過伸展を強制して、患側関節裂隙部に疼痛を誘発させる。
ラックマンテスト:前十字靭帯の前方不安定性を確認するテスト。問2の解説を参照してください。
サギング:後十字靭帯損傷の検査法。
問7.前十字靭帯損傷で正しいのはどれか。(第32回)
- 非接触型の運動では単独損傷が多い。
- 腫脹は軽度なことが多い。
- 早期に観血療法を行う。
- サギングがみられる。
解答&解説
正解は1番の”非接触型の運動では単独損傷が多い”です。非接触型の前十字靭帯損傷は急激な停止やジャンプの着地時、急な方向転換などで発生する。10代女性に好発する。
2.腫脹は時間とともに高度にみられる。
3.患者の生活状況に応じて治療は変化する。
4.サギングは後十字靭帯損傷の特徴である。
問8.前十字靭帯損傷で誤っているのはどれか。(第33回)
- 非接触型損傷は女性に好発する。
- 急性期には関節血症で可動域が制限される。
- 競技レベルが低いほど発生のリスクが高くなる。
- 接触型損傷は膝関節に外反力が作用し発生する。
解答&解説
正解は3番の”競技レベルが低いほど発生のリスクが高くなる”です。
競技者の外傷予防(医歯薬出版)P108には競技レベルが低いほど発生頻度が高くなると記入されているため、不適切問題なのでは?といわれている。
問9.膝関節90度屈曲位から下腿内旋、膝関節外反ストレスをかけながら膝関節を伸展させて、膝関節15~30度付近で脛骨の前方への亜脱臼を確認するのはどれか。(第33回)
- ピボットシフトテスト
- ラックマンテスト
- ブラガードテスト
- Nテスト
解答&解説
正解は4番の”Nテスト”です。
Nテストは前十字靭帯損傷の徒手検査です。方法は問題文の通りになります。
ピボットシフトテスト:前十字靭帯損傷の徒手検査
実施法:下腿を内旋させた状態で膝関節完全伸展位とし、内旋位を維持したまま徐々に屈曲させます。ACL断裂があると膝関節屈曲20°付近で脛骨が前外方へ亜脱臼します。
問10.前十字靭帯損傷で正しいのはどれか。(オリジナル問題)
- 受傷直後は前方引き出しテストでの評価が最も重要である。
- ラックマンテストでは終末感を感じることがある。
- 骨挫傷を併発することがある。
- 接触型損傷は単独損傷が多い。
解答&解説
正解は3番の”骨挫傷を併発することがある”です。
前十字靭帯損傷の確定診断にはMRIが用いられ、半月板損傷や骨挫傷を合併することがある。
1.前方引き出しテストは受傷直後では疼痛や筋緊張により膝関節90°屈曲位が困難な場合があるため、ラックマンテストを用いることが多い。
2.ラックマンテストが陽性の場合、終末感(end feel)を感じない。
4.非接触型損傷は単独損傷が多い。
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