必修問題対策!(肘内障の診察・整復)

問題

解答&解説

問1.肘内障で正しいのはどれか。(第28回)

  1. 橈骨近位部に変形がみられる。
  2. 前腕回外強制で疼痛の増強がみられる。
  3. 腕尺関節に限局した圧痛がみられる。
  4. 肘関節部に腫脹がみられる。
解答&解説

正解は2番の”前腕回外強制で疼痛の増強がみられる”です。肘内障は近位橈尺関節の亜脱臼であり、患者の多くは肘関節軽度屈曲位、前腕回内位の状態で来院する。前腕回外を強制すると疼痛を訴える。(理論編P314)

1.橈骨近位部の外観上の変形はない。

3.疼痛部位は肘関節外側部(橈骨頭周囲)

4.局所の腫脹や発赤はみられない。

問2.肘内障の所見で正しいのはどれか。(第29回)

  1. 橈骨頭の位置異常
  2. 腕頭関節部に軋轢音
  3. 損傷部のびまん性腫脹
  4. 回外強制でのバネ様抵抗感
解答&解説

正解は4番の”回外強制でのバネ様抵抗感”である。肘内障は輪状靱帯の下を橈骨頭がくぐり抜けることで発生する。亜脱臼状態なので回外強制されるとバネ様抵抗感を感じる。(実技編P242)

1.橈骨頭自体の位置異常はみられない。

2.骨折ではないため軋轢音は生じない。

3.局所の腫脹や発赤は認めない。

問3.肘内障で正しいのはどれか。(第30回)

  1. 前腕は回外位となる。
  2. 肘関節全体が腫脹する。
  3. 腕尺関節部に圧痛がある。
  4. 万歳ができない。
解答&解説

正解は4番の”万歳ができない”です。肘内障では肩関節に問題はないが、上肢の動揺が生じるため万歳のような動作は避ける。(上肢自体を動かさない)実技編P242

1.前腕回内位、肘関節軽度屈曲位となる。

2.腫脹、発赤は認めない。

3.腕尺関節部(内側)でなく、近位橈尺関節部(外側に圧痛を認める)

問4.肘内障でみられるのはどれか。(第31回)

  1. 肘関節外側部の腫脹
  2. 肘関節外反動揺性
  3. 輪状靱帯の亜脱臼
  4. 単純エックス線像での異常所見
解答&解説

正解は3番の”輪状靱帯の亜脱臼”です。肘内障は近位橈尺関節の亜脱臼になります。(理論編P314)

1.腫脹や発赤は認めない。

2.靱帯損傷は生じていないため、動揺性はみられない。

4.エックス線での異常所見はみられない。

問5.肘内障の原因で前腕にかかる力はどれか。(第31回)

  1. 牽引と回内
  2. 牽引と回外
  3. 圧迫と回内
  4. 圧迫と回外
解答&解説

正解は1番の”牽引と回内”です。肘内障は2~4歳の幼小児期特有の障害で、多くの場合には親が手を引っ張った際に発生することから、肘引っ張り症候群(pulled elbow syndrome)とも呼ばれる。前腕回内位で牽引されることで、輪状靱帯の下を橈骨頭がくぐり抜けることで発生する。(理論編P314)

問6.肘内障で正しいのはどれか。(第32回)

  1. 腫脹が著明である。
  2. 前腕が回内している。
  3. 橈骨頭が前方転位している。
  4. 肘外側に皮下出血がみられる。
解答&解説

正解は2番の”前腕は回内している”です。問1の解説を参照ください。

問7.肘内障で正しいのはどれか。(第33回)

  1. 8~10歳に好発する。
  2. 肘関節外側が腫脹する。
  3. 前腕に回外力が加わり発生する。
  4. 輪状靱帯の嵌頓では整復困難となる。
解答&解説

正解は4番の”輪状靱帯の嵌頓では整復困難となる”です。一般に整復は容易とされているが、完全に脱臼し、輪状靱帯が嵌頓した場合には整復が不能となることがある。(理論編P314)

1.2~4歳の幼小児期にみられる。

2.腫脹・発赤は認められない。

3.前腕に回内力と牽引力が加わり発生する。

問8.肘内障で正しいのはどれか。(オリジナル問題)

  1. 鎖骨骨折と鑑別が必要である。
  2. 腕尺関節の亜脱臼である。
  3. 前腕回外下垂位で来所する。
  4. 発赤と腫脹が著明である。
解答&解説

正解は1番の”鎖骨骨折と鑑別が必要である”です。肘内障は2~4歳の幼小児期に特有の障害のため、原因がはっきりしないことも多く、周囲の損傷と鑑別が重要となる。(理論編P314、実技編P242)

~肘内障と鑑別を要する疾患~

  • 鎖骨骨折
  • 肘関節付近の骨折(橈骨頚部骨折)
  • 肘関節捻挫

問9.肘内障の整復法で誤っているのはどれか。(オリジナル問題)

  1. 尺骨近位に母指、橈骨頭部に他指をあてる。
  2. 患者は立位または坐位で行う。
  3. 整復時にクリック音を触知する。
  4. 第2法では最終的に肘関節屈曲させる。
解答&解説

正解は1番の”尺骨近位に母指、橈骨頚部に他指をあてる”です。肘内障の整復法は第1法、第2法と2種類存在する(実技編)いづれの方法でも術者の母指は橈骨頭部に当てる。(実技編P243)

以上になります。

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