必修問題対策!(膝関節側副靱帯損傷の診察)

問題

解答&解説

問1.膝関節内側側副靱帯損傷の所見はどれか。(第28回)

  1. 軋轢音が著明である。
  2. 内側に限局した圧痛を認める。
  3. 嵌頓症状を認める。
  4. 内反動揺性が出現する。
解答&解説

正解は2番の”内側に限局した圧痛を認める”です。内側側副靱帯損傷では靱帯損傷部(内側の裂隙付近)に限局した圧痛がみられます。理論編P387

1.軋轢音は骨折の固有症状なのでみられません。

3.嵌頓症状(ロッキング)は半月板損傷の症状になります。

4.内反動揺がみられるのは外側側副靱帯損傷です。

問2.膝関節側副靱帯損傷の検査法はどれか。(第28回)

  1. ラックマンテスト
  2. 牽引アプライテスト
  3. マックマレーテスト
  4. 前方引き出しテスト
解答&解説

正解は2番の”牽引アプライテスト”です。膝関節側副靱帯損傷のテスト法は牽引アプライテスト、側方動揺性テスト、グラビティテストなどがあります。

牽引アプライテスト:患者を腹臥位、膝関節90°屈曲位させ、検者は両手で足底部を持ち、患肢後面の検者の膝を載せて固定し、脛骨関節面を大腿骨顆から牽引して内旋・外旋を行い、疼痛の有無をみる。

側方動揺性(lateral instability)テスト:患者は背臥位、患側股関節軽度外転位で、膝関節30°屈曲位とする。検者は一方の手で膝の外方にあて、他方の手で足部を保持し、膝関節を外転させる。健側と比較して外転度を検査する。

グラビティ(gravity)テスト:診察台から患側下肢の下腿部を出して重力にさらし、下肢の自重により膝関節内側に外反ストレスがかかることで出現する動揺性や疼痛の有無を確認する。実技編P379

問3.膝関節内側側副靱帯単独損傷時の外反ストレス陽性所見はどれか。(第29回)

  1. 握雪音
  2. クリック
  3. サグサイン
  4. 関節裂隙の開大
解答&解説

正解は4番の”関節裂隙の開大”です。

問4.膝関節側副靱帯損傷でみられるのはどれか。(第30回)

  1. 側方動揺性
  2. 嵌頓症状
  3. 膝崩れ
  4. 軋轢音
解答&解説

正解は1番の”側方動揺性”です。側副靱帯は側方動揺を防ぐ役割があるため、損傷すると動揺性が出現します。

2.嵌頓症状は半月板損傷でみられます。

3.膝崩れは十字靱帯損傷の特徴になります。

4.軋轢音は骨折の固有症状

問5.靱帯損傷の検査はどれか。(第31回)

  1. 膝蓋骨グライディングテスト
  2. 牽引アプライテスト
  3. マックマレーテスト
  4. トーマステスト
解答&解説

正解は2番の”牽引アプライテスト”です。解説は問2を参照してください。

1.膝蓋骨グライディングテストは膝蓋軟骨軟化症の徒手検査法です。

3.マックマレーテストは半月板損傷の徒手検査です。

4.トーマステストは股関節屈曲拘縮の徒手検査です。

問6.膝関節内側側副靱帯損傷で正しいのはどれか。(第32回)

  1. 嵌頓症状
  2. 外反動揺性
  3. 膝後面の疼痛
  4. 前方引き出し陽性
解答&解説

正解は2番の”外反動揺性”です。内側側副靱帯では外反動揺がみられます。

1.嵌頓症状は半月板損傷の症状です。

3.膝後面の疼痛は後十字靭帯損傷が考えられます。

4.前方引き出し陽性は前十字靭帯損傷を疑います。

問7.膝関節側副靱帯の第Ⅰ度損傷で正しいのはどれか。(第33回)

  1. 機能障害は生じない。
  2. 靱帯線維の微小損傷である。
  3. 膝関節伸展位で側方動揺性がみられる。
  4. 膝関節屈曲5度で側方動揺性がみられる。
解答&解説

正解は2番の”靱帯線維の微小損傷である”です。

~靱帯損傷の分類~ 理論編P59

Ⅰ度損傷:靱帯線維の微小損傷。疼痛、腫脹は少なく、機能障害も軽度で不安定性は認められない。

Ⅱ度損傷:靱帯の部分断裂。不安定性は軽度から中等度にみられ、機能障害も認められる。

Ⅲ度損傷:靱帯の完全断裂。関節の不安定性は著明にみられる。機能障害も高度にみられる。

問8.膝関節内側側副靱帯損傷の検査でないのはどれか。(第33回)

  1. グラビティテスト
  2. 外反ストレステスト
  3. グラスピングテスト
  4. 牽引アプライテスト
解答&解説

正解は3番の”グラスピングテスト”です。グライディングテストは腸脛靭帯炎(runner’s knee)の徒手検査法です。理論編P391

問9.膝関節側副靱帯損傷について正しいのはどれか。(オリジナル問題)

  1. 外側側副靱帯損傷の発生頻度が高い。
  2. 内側側副靱帯損傷は単独損傷が多く、合併損傷は少ない。
  3. 受傷時は断裂音(POP音)を聴取することがある。
  4. 応急処置は膝関節90°屈曲で固定する。
解答&解説

正解は3番の”受傷時は断裂音(POP音)を聴取することがある”です。理論編P387

1.内側側副靱帯損傷の発生頻度の高い。

2.前十字靭帯損傷や半月損傷を合併することがある。

4.応急処置は膝関節軽度屈曲位で固定する。

問10.腹臥位で行う膝関節側副靱帯損傷の検査法はどれか。(オリジナル問題)

  1. トンプソンテスト
  2. 側方動揺性テスト
  3. 牽引アプライテスト
  4. 前方引き出しテスト
解答&解説

正解は3番の”牽引アプライテスト”です。牽引アプライテストについては問2の解説を参照してください。

1.トンプソンテストはアキレス腱断裂の徒手検査です。

2.側方動揺性テストは背臥位で行う側副靱帯損傷の徒手検査です。

4.前方引き出しテストは前十字靱帯損傷の徒手検査です。

以上になります。

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